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2005年9月28日 (水)

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(6)
決別

 警備部警備第1課に2年3カ月勤務したあと、私は総務部企画課犯罪被害者対策室に転勤した。そして、その1年3カ月後の2000年10月、私は「一身上の都合」で、警視庁を退職したが、それは、事実上の辞職勧告を受けたというのが真の理由だ。

 自分で言うのも変だが、私はずっと、八方美人的に職場での人間関係を築いてきたし、仕事に対して自信もあった。しかし、企画課で、私は初めて「うまくいかない」上司に出くわした。

「何が?」と聞かれても、うまく答えられない。とにかく仕事的にも、人間関係的にも「うまくいかない」のだ。

 相手もそれを感じていたのだろう。あるとき私は、その上司に「生活指導の個人面接」に呼ばれ、こう言われた。

「おまえ、昔の女とは本当に切れているのか? 金使いも荒いし。おまえの生活態度は『警視庁職員服務規程』違反だ。身を引いたらどうだ?」

 上司は、私の過去の不始末や個人情報をしっかり調べ上げていた。辞めさせたい部下がいるときに幹部がとる常套手段だ。

 私は辞表を書いた。そのときの私には、

「裏ガネを告発してやる」

 などという気持ちは、さらさらなかった。しかし上司は危険を感じたのだろう、機密漏洩防止に必死になった。

「辞めたあとも地方公務員法の『守秘義務』はあるんだぞ」

 と、くどいほど私に念をおした。私が家に持って帰る荷物の中身を調べた。妻に、仕事の書類が家にないかどうか確認した。

「裏ガネのことが心配なんだな。身を引く者に、こんな追い討ちをかけるとは、天下の警視庁も、情けないものだ」

 私は一抹の寂しさと、「おもしろくない」という気持ちを覚えながら、退職した。

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