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2005年10月 6日 (木)

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(9)
ライフワーク

 私は、18年間の実体験に基づく、警視庁の裏ガネづくりを、実名顔出しで告発することを決意した。

 告発の前に、最後にすべきことは、現職の地方公務員の妻、準公務員扱いの旧電電公社(現NTT)職員だった両親を、いかに説得するかということだった。

 しかし、私は、そのことについては最初から断念していた。それぞれの立場や経歴から、公務員だった私が、元の職場を内部告発するなどということに、もろ手を挙げて賛成してくれるとは、到底思えなかったからだ。

 私は、身内には何も言わずに、既出のジャーナリスト、寺澤有氏らとともに、告発の準備を進めた。

 まず『フライデー』(2001年8月3日号)で、「X」氏が私であることを告白したうえで、2001年7月18日、私は、代理人の堀敏明弁護士とともに、会計検査院に赴き、「審査要求書」を提出した。趣旨は、

「機動隊員に支給されるべき旅費が、一切支給されていないので、その会計処理の不正を審査してほしい」

 というものだ。

 そして翌日、弁護士会館で記者会見を開いた。

 この一連の行動が、匿名ではできない効果的な告発手段となるはずだった。生意気な言い方だが、警察組織の実態を、社会と警察官自身に知ってもらうこと、そして会計検査院の尻をたたくことのために、私は身を捨てたのだ。

 しかし、結果は惨憺たるものだった。

 審査要求は、私が、その当事者たる資格(その会計処理による直接の被害者であること)がないということで、門前払いされた。記者会見は、記者50名、テレビカメラ3台と、盛況ではあったが、実際の報道は、ほとんどなかった。やはり、大手メディアは、警察を敵に回すことを恐れたのだろう。

 さらに、身内を含めた、周辺からの心配と攻撃。

「もう、普通の会社には勤められないね。子供の大学進学はどうするの?」と妻。

「近所の警察一家に顔向けできない。なぜ自分の利益にならないことをする?」と父。

 警視庁からは、こんな声が聞こえてきた。

「大内は、再就職がうまくいかず、ウソ八百を並べ立てて、フライデーから1000万円の謝礼をせしめた」(現実には、交通費と日当ぐらいしか受け取っていない)

 しかし、そのときの私は、もうヘコむことはなかった。告発者の人格攻撃をする、警察の常套手段には、告発の内容が正しいということを明らかにして対抗せざるを得ない。

 おこがましいが、「警察再生」が、私のライフワークとなった。

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