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「記者席も判決要旨も便宜供与」と東京地裁
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山岡俊介氏(ジャーナリスト)の「陳述書」 »

2006年1月27日 (金)

第2次記者クラブ訴訟(2)
筆者の「意見陳述書」

cambodia  第1回口頭弁論(2004年12月15日)で、筆者は「意見陳述書」(全文後掲)を読みあげた。

 とかく裁判官は非常識なので、小学生でもわかるような実例2つを挙げつつ、「記者クラブ」が世界中で日本にしか存在しない、異常なものだと説明した。「意見陳述書」は書証(甲第4号証)として提出もされている。

 しかし、後日(2006年1月25日)、奥田隆文裁判長ら(東京地方裁判所民事第50部)が言い渡した判決を見ると〔既報(第2次記者クラブ訴訟(1)「記者席も判決要旨も便宜供与」と東京地裁)参照〕、「非常識の壁」が歴然とある。我々は、「裁判所ひきこもり」「六法全書&判例集オタク」に通ずる言葉を持ちえていないと痛感する。

 とはいえ、「意見陳述書」末尾にもあるとおり、「徹底的に闘う」ことが必要である。「記者クラブ」のような、かつての「アパルトヘイト」にも匹敵する、明白な差別が永遠に続くわけがないからだ。

意見陳述書

2004年12月15日

(住所略)
寺澤有

 ある外国特派員がこう言っています。

「松本智津夫(麻原彰晃)被告の判決公判(2004年2月27日)を傍聴し、驚いた。江川紹子さん(ジャーナリスト)が記者席ではなく、一般傍聴席に座っていたからだ。オウム真理教事件といえば、彼女の追及があったからこそ、松本被告らの逮捕、起訴へとつながった。その第一人者が裁判所から『記者』として認められず、一般市民と同じ扱いを受けているのは、どう考えてもおかしい」

 かくいう外国特派員も裁判所から「記者」として認められ、記者席をあてがわれた1人です。現在、裁判所は「司法記者クラブ」所属の記者以外にも、外国特派員を「記者」として認め、記者席を用意する、判決要旨を交付するなどの便宜供与を図っています。これは、「記者クラブ」による取材の独占が欧米諸国から批判されてきたことと無縁ではないと思います。

 結局、日本では、江川さんや私のようなフリーランスのみが裁判所から「記者」として認められず、著しい不利益を被っているわけです。

 1993年7月、私は取材でカンボジアを訪れました。なんのツテもなく、UNTAC(国連カンボジア暫定統治機構)の本部へ行き、広報担当官と面会。自分の署名記事が掲載されている雑誌数冊を示しながら、「取材許可証を発行してほしい」と要請しました。広報担当官は「こちらで検討させてもらう。雑誌は預けてください。明日、もう1度来るように」と応じました。

 翌日、再度、広報担当官と面会すると、「取材許可証を発行します」と言われました。広報担当官は外国人で、日本語が読めるとはとても思えず、私は雑誌を預けたものの、「ちゃんと検討してもらえるのか」と不安でした。しかし、いかなる検討がなされたのかわかりませんが、広報担当官は私を「記者」として認めてくれたのです。

 添付のカラーコピーが取材許可証です。真ん中に「Freelance」とタイプ打ちされていますが、これは、私がそのような肩書きを希望したのではなく、UNTACが、私のような「記者」は「Freelance」と分類しているということです。

 取材許可証のおかげで、私は思う存分に取材することができました。明石康・UNTAC特別代表(当時)がオルブライト米国連大使(同)と会談する場面も、大手メディアの記者らにまじり、間近で取材しました(添付写真参照)。

 また、ノーアポイントメントでタケオへ自衛隊を訪ねたときも、「UNTACの取材許可証があるなら、どうぞ」と、広報担当隊員2名が親切に駐屯地を案内してくれました。

 日本人が特別代表を務めるUNTACも自衛隊も、カンボジアでは「記者クラブ」などというものと関係なく、きちんとフリーランスにも取材対応していました。これが国内で不可能なはずがありません。

 裁判所がフリーランスには記者席も判決要旨も用意しないというのは、不条理極まりないと思います。これは、「記者」を「記者」として認めないことですから、「人間」を「人間」として認めないことと同じです。このような差別は絶対に許すことができません。

 しかも、税金で運営されている裁判所が、「記者クラブ」にだけ便宜を図るのは、国民(納税者)感情からしても許されないと思います。

 本訴訟では、裁判所が英知あふれる判断をしてくださると確信していますが、もし不条理な差別が是認される結果となった場合、上訴したり、別に同様の訴訟を提起したりするなどし、今後も徹底的に闘うつもりです。

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