2006年1月25日、東京地方裁判所民事第50部(奥田隆文裁判長)で、筆者が原告の「第2次記者クラブ訴訟」(2004年10月12日提訴)の判決が言い渡された。「第2次」というからには「第1次」があるわけだが、そちらは記事を改めて解説したい。
「第2次記者クラブ訴訟」では、裁判所が記者クラブ加盟社記者だけに傍聴席と判決要旨を用意することが、日本国憲法第21条(取材・報道の自由)や同第14条(法の下の平等)に違反するか否かが争われた。事実関係と原告、被告(国)双方の主張は全文後掲する判決を見ていただきたい。
奥田裁判長らは以下のような論理で「憲法違反はない」とした。
《報道の自由ないし取材の自由は、報道機関の報道行為、取材行為に対して国家機関が介入してはならないといういわゆる消極的な自由を意味するにとどまるのであり、国に対して一定の行為を請求することができるという積極的な権利まで当然に含むものではないから、報道機関が裁判所に傍聴席の確保や判決要旨の交付を請求するというような権利が、当然に報道の自由ないし取材の自由に含まれることにはならない》
《裁判所が、記者クラブ加盟の報道機関の記者に対して、傍聴席を確保し、判決要旨を交付する措置を取っているところ、このような取扱いは、裁判の迅速かつ正確な報道に資するため、司法行改上の便宜供与として行われているにすぎないのであるから、このような取扱いがされているという事実があるからといって、報道機関が、裁判所に対して、傍聴席の確保や判決要旨の交付を請求する権利を有しているということはできないし、また、このことは原告についても同様である》
《原告の主張は、結局、傍聴席の確保や判決要旨の交付を請求する権利を原告が有していることを前提とするものと解さざるを得ないところ、そのような前提自体が認められないのであるから、仮に、原告の要請に応じることが極めて容易であったというような事情があったとしても、原告に対して傍聴席が確保されず、また、判決要旨が交付されなかったことが、原告の報道の自由ないし取材の自由を侵害することになる余地はなく、裁判所の職員の行為が、憲法21条に違反し、違法であるとの原告の主張を採用することはできない》