身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(26)
道警追及ⅩⅡ
道警の裏ガネ追及は、現時点では、ほぼすべての動きがストップしてしまった。その現状を報告し、「道警追及シリーズ」の一応の区切りとしたい。
道警は、ほぼすべての所属で不正経理があったことだけは認めた。そして、2004年12月に3000人の懲戒処分を発表、2005年11月には、国と道へ総額9億円あまりを返還し、同年12月には、送検・告発のあった幹部らの刑事処分(不起訴)も決定したことから、今回の問題は終結したと考えている。
しかし、この決着には、道警内部からの批判も強い。
懲戒処分については、「訓戒処分を受けた本部長が、部下に訓戒処分を出すことに、何の意味があるのか」と、現職幹部も首をかしげる。
国と道へのカネの返還については、さらに滑稽だし、重大な疑惑も残る。
道警は、警部以上の現職・OB計2000人から、1人あたり10万円~200万円ずつ(給料の額で算定)拠出してもらい、それを返還の原資にあてたとしている。
OBには、「警友会(OBの親睦団体)」を通じて広く呼びかけたというが、不思議なことに、内部告発した原田宏二氏や、齋藤邦雄氏には、拠出の依頼がなかった。また、現職・OB問わず、「なぜ、裏ガネを作らされていただけの『警部級』までもが、カネを出さなければならないのか」という不満も続出し、拠出を拒否する者もいたという。
実は、当初、道警は、拠出を「警視」以上としていたが、思ったほどカネが集まらなかったため、対象を「警部」にまで下げたという。
さらに、この返還劇には、不可解な点がある。9億円を2000人で返したのだから、拠出者1人あたり、平均45万円も拠出していることになる。しかも、200万円を超える拠出をした者もいるという。こんなことが、実際可能なのだろうか。私には、「裏ガネの返還に、裏ガネをもってする」という、ばかばかしい光景が見えてきてしまうのだが。
しかし、道警の一方的な「終結宣言」を、まっ先に叩くべき北海道新聞も、今や道警の御用メディアになり果ててしまった。他の機関も、追及終結状態だ。
道議会での与野党の攻防では、野党は連戦連敗だ。「百条委員会」設置要求は7度否決され、原田、齋藤両氏の参考人招致は実現せず、来年度の捜査報償費予算案は、今年度比32.2%増の8500万円となった。捜査報償費の使用は100%インチキだから、予算はゼロでよい。真に捜査に必要な経費は、それぞれ、オープンに監視できる、他の費目に振り分けるべきなのだ。こんな簡単なことを、議会は議論しようともしない。
道監査委員は、知事の要求により、特別監査と確認監査を実施した。このうち、確認監査は、道警の内部調査内容を確認するための監査で、この監査により、道警自身が内部調査で7億円としていた返還額を、9億円に引き上げるという、一応の成果は見た。しかし、現時点では、すべての監査は終了している。
今回の問題では、訴訟も4件提起された。住民訴訟が旭川と弟子屈であり、また、偽造領収書に勝手に自分の名前が使われたとする1人が、道に損害賠償請求をし、さらに、稲葉圭昭元警部(いわゆる「稲葉事件」については既報)が作成した、捜査報償費の会計書類の開示請求訴訟を、札幌市民オンブズマンである、市川守弘弁護士らが起こした。
これらの訴訟は、すべて終了しており、道(道警)の3勝1敗だ。唯一の原告勝訴は、道に対する損害賠償請求で、原告の精神的苦痛に対し、15万円が支払われた。
しかし、これも勝ったとはいえ、実に腹立たしい。もともと、税金の不正使用にかかわる損害賠償金に、道民の税金が、また使われるのだ。道民にとっては、ダブルパンチと言ってよい。
今、細々と動いているのは、道の情報公開審査会だ。捜査報償費などの会計書類を、道警が非開示としたことへの不服申立に伴い、同審査会は今年2月、原田、齋藤両氏から、参考人として事情聴取することを決めた。
このように、警察の会計書類非開示に伴う不服申立や訴訟は、全国で見られる。私も、国の情報公開審査会で意見を述べたことがあるが、思いのほか真剣に聞いてくれたという印象はある。これが、全国の警察裏ガネ問題に一石を投じることになるのか、注目したい。
さて、一石を投じたという点では、2003年に発覚した道警の裏ガネ問題は、確かに全国に波及した。そして私は、翌2004年、愛媛県警の元会計担当職員による、仰天内部告発を記事にすることになる。
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道警追及ⅩⅡ:
» 北海道警裏金問題 札幌検察審議会で「不起訴不当」議決 [市民オンブズマン 事務局日誌]
北海道警裏金問題に関し、業務上横領容疑などで告発され、いずれも不起訴となった道警幹部七人(退職者を含む)のうち五人について、札幌検察審査会が06/3/23までに「不起訴不当」と議決されました。議決全文はこちら。PDFはこちら。
北海道警の一連の裏金問題のうち、捜査費を裏金化した件で民主党の国会議員が刑事告発したにもかかわらず、検察官が不起訴処分にしたことについて、刑事告発した国会議員が札幌検察審査会に申立をしていたものです。
この議決により、検察が真摯に捜査することを期待したいと思います... [続きを読む]
受信: 2006年3月29日 (水) 18時32分
» 滋賀県警「偽名領収書」公開命じる 大阪高裁 2006/3/29 [市民オンブズマン 事務局日誌]
滋賀県警・捜査報償費のうち「偽名領収書」の情報の公開を求めた裁判で、
大阪高裁は2006/3/29に、「ペンネームの領収書」の公開を命じる逆転判決を
出しました。
全文はPDFで読めます。
http://www.ombudsman.jp/policedata/060329.pdf
これは、2004年6月に全国市民オンブズマン連絡会議に加盟する市民オンブズが
全県警本部に一斉情報公開請求した、捜査費(国費・県費)の「偽名領収書」について
公開を求め争っている事案です。
県警の捜... [続きを読む]
受信: 2006年3月30日 (木) 19時13分
» 静岡検察審査会、静岡県警のカラ出張につき「不起訴処分不当、起訴相当」の議決 06/3/28 [市民オンブズマン 事務局日誌]
静岡県警裏金問題に関し、カラ出張に関する虚偽公文書作成・同行使、詐欺の罪などで
告発され、いずれも不起訴となった静岡県警幹部ら9人について、静岡検察審査会が06/3/28に「不起訴不当、起訴相当」と議決しました。
一連の警察裏金問題について、検察審査会で起訴相当の議決が出たのは今回が
初めてです。
詳しくは静岡県オンブズマンネットワークのページで。
http://plaza.across.or.jp/~fujimori/ombudsman.html
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北海道新聞 2006/... [続きを読む]
受信: 2006年4月 8日 (土) 07時24分

![: ニッポンの恥! [別冊宝島Real]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/11gz2HE5fsL.jpg)


