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2007年1月22日 (月)

鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』(4)
鳥越編集長就任はソフトバンクの意向!?

 2007年1月11日、インターネット新聞・『JANJAN』「鳥越編集長、辞任へ 後任決まらず~迷走続くオーマイニュース」と報道したことに対し、同日、『オーマイニュース』は「一部のインターネットメディア記事について」という告知を掲載し、「一部のインターネットメディアにおいて、当社サイト『オーマイニュース』編集長である鳥越俊太郎が辞任するとの記事が掲載されましたが、これらはまったくの事実無根です」と反論した。

 さらに翌日(1月12日)、『オーマイニュース』は告知に鳥越氏のコメントを追記した。一部抜粋してみる。

 1月11日に一部メディアで、私が1月13日に編集長を辞任する、またはオーマイニュース代表の呉連鎬が私を解任するなどの報道が行われていますが、これらは事実ではありません。

 私は現在、オーマイニュース編集長の職を退く意向を持っていませんし、解任されるという話も聞いていません。

 今回の報道がなされた経緯を、私の発言に該当する部分について知る範囲でお伝えしますと、1月11日午前に今回の記事を掲載したネットサイトの運営会社の名前で、私の携帯電話に直接取材がありました。

 記事には、「(編集長辞任の理由について)おもに体調による。ガンの手術のあとで、あまり無理しない方がよいと医者から言われており、私の方から(辞任の)申し入れをした。辞めるのは13日だが、実は本日(11日)から検査入院している」と書かれていますが、私は電話取材の際、このようなことは言っていません。

 以前から、「後任を探しておいてください」という依頼はしてきました。今年に入って、その候補となる人を推薦しましたが、しかし報道されているように「13日に辞任する」あるいは「解任される」ということについては、電話をかけてきた記者から初めて聞いた話ですし、そんな予定は一切ありません。もちろん、推薦した人物の名前を電話取材で明かしてもいません。

 ここで書かれている私のコメントの中で正しい個所は、「体調が万全の状態になく、現在(11日より)検査入院している」という部分です。しかし、私はオーマイニュースの編集長として今後もできる限りのことをしていく意思を持っています。

 鳥越氏は、「現在、オーマイニュース編集長の職を退く意向を持っていません」「オーマイニュースの編集長として今後もできる限りのことをしていく意思を持っています」と言いながら、「以前から、『後任を探しておいてください』という依頼はしてきました。今年に入って、その候補となる人を推薦しました」と認める。言葉と行動が完全に矛盾している。

 そのうえ、「私は電話取材の際、このようなことは言っていません」などとして、『JANJAN』記事の自分のコメントがねつ造であると主張している。

 これに対し、1月14日、増田美智子・『JANJAN』記者は「鳥越俊太郎さん、しっかりしてください」と題する記事で、鳥越氏との電話取材のやりとりを全部公開した。以下、転載する。

───13日にお辞めになるってうかがったんですけれども、何か責任をとってのことなんですか。
鳥越氏:まあ、体調ですね。

───事実上解任というような話を聞いたんですが。
鳥越氏:違う違う。

───違いますか。
鳥越氏:そんなんじゃない。僕の方から、ガンの手術のあとですから、やっぱり、あんまり無理しないほうがいいと医者に言われて。媒体の立ち上げは終わったので、もう役割は終わったから。

───なるほど。
鳥越氏:解任とかそんな話じゃない。僕の方から申し入れをして、了承してもらって、次の人を僕は推薦をして。

───そうなんですか。
鳥越氏:そういう手続きですから、無茶苦茶なこと書かないでくださいよ。

───後任の人事も、もう決まってらっしゃる?
鳥越氏:最終的には僕の関知しないとこなんで。僕は推薦だけをして、あとは、呉(連鎬)代表が決めることじゃないですかね。

───なるほど。鳥越さん、最近、新しいコラム、はじめられましたよね。
鳥越氏:うん。

───そちらの方は?
鳥越氏:それは、やるでしょうね。

───今後も続けていかれる?
鳥越氏:(自分が)市民記者であることは間違いないんで。

───わかりました。ちなみに、後任の推薦された編集長のお名前って……。
鳥越氏:それは言えません。(結果が)どう出るかわからないから。その本人のこともあるから。それは言えません。

───はい、わかりました。
鳥越氏:ちゃんとした人を推薦をして、そのインタビュー、面接も僕が立ち会ってしてますから。

───お辞めになるのは13日の土曜日ってことで間違いないですか。
鳥越氏:実は、もう今日から検査入院で病院に入っちゃってんです。そういうこともあって、(辞任は)今週っていうことです。

───ありがとうございました。
鳥越氏:はいはい。

 鳥越氏が1月13日に辞任することを認めているのは明白だ。後日、鳥越氏は前出・告知で「『13日に辞任する』あるいは『解任される』ということについては、電話をかけてきた記者から初めて聞いた話」と主張しているが、それならば、どうして、上記のような電話取材のやりとりとなりえるのか。鳥越氏は寝耳に水の話を聞いても、驚きも否定もしないのである。

 鳥越氏が前言をひるがえし、「現在、オーマイニュース編集長の職を退く意向を持っていません」(告知より)と言っているのは、もし、『JANJAN』が報道したとおり、1月13日に辞任すれば、その記事で触れられている「事実上の解任」という見方が説得力を持つと考えたからだろう。鳥越氏は増田記者との電話取材のやりとりでも、「解任とかそんな話じゃない」「無茶苦茶なこと書かないでくださいよ」と解任説を打ち消そうと必至である。

 しかし、筆者が聞いている範囲では、鳥越氏は「事実上の解任」といえるだろう。

 浅野健一氏(同志社大学社会学部教授)は、呉連鎬(オ・ヨンホ)氏(『オーマイニュース』最高経営責任者)が著わした『オーマイニュースの挑戦』(太田出版)で解説文を書くなどしており、両者は2004年2月から親交がある。もちろん、『オーマイニュース』が日本へ進出するにあたり、たびたび浅野氏は呉氏から相談を受けていた。

 2006年9月、浅野氏と呉氏は『オーマイニュース』編集部近くで会食した。浅野氏が「鳥越氏は古いメディアを代表する人物。『オーマイニュース』編集長に就任(2006年5月)してからも、それに専念しないで、ワイドショー出演を続けている。しかも、鳥越氏はコマーシャル出演もしている。ジャーナリストがコマーシャルに出演することはありえない。どうして、そういう不適当な人物を編集長にすえたのか」と批判すると、呉氏は「鳥越編集長就任も含め、『オーマイニュース』の編集方針は、(『オーマイニュース』へ出資している)ソフトバンクの意向がかなり入っている。批判するなら、自分がソフトバンクと手を結んだこと自体を批判するべきだ」と釈明したという。

 それでも、当初、呉氏は、知名度がある鳥越氏を広告塔として利用しようとしたと考えられる。ところが、鳥越氏がインターネットに無知すぎるため、不必要なトラブルが続出し、かえって『オーマイニュース』は評価を落とした。

 一方、呉氏は『オーマイニュース』に対するソフトバンクの影響力を排除するため、腐心していた。ソフトバンクから『オーマイニュース』へ出向していたスタッフたちを戻らせたのも、その一例である。

 こうした経緯に照らせば、呉氏がなるべく早く鳥越編集長を更迭し、実務能力がある後任を置きたいと考えていたことは間違いない。とはいえ、ガンを公表している鳥越編集長をむげに解任すれば、世間から反感を買うおそれもある。そこで、鳥越氏が入院する機会を捉え、2007年1月13日に辞任することで話をつけたと推測される。

 なお、ソフトバンク広報室は、こうコメントしている。

「ソフトバンクは『オーマイニュース』へ出資するだけで、編集に口は出さないという約束だった。現実にそれは守られている。鳥越氏が編集長に就任したのも、ソフトバンクの意向ではなく、呉氏が決めたこと。ソフトバンクから『オーマイニュース』へ出向していたスタッフたちは、立ち上げが一段落したので、徐々に引きあげている。そのスタッフたちが『オーマイニュース』の一員として、運営に意見を述べたことはあるだろう」

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