鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』(11)
武富士より始末が悪い鳥越氏
2000年11月13日未明、筆者と『FRIDAY』取材班は、鳥越氏が生放送出演を終え、テレビ朝日から出てくるところを直撃した。筆者は鳥越氏へ面談で取材を受けるよう申し入れていたが、それが拒否されたため、やむをえない行動だった〔既報〈鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』(8)鳥越氏のウソと恫喝の実例~Part 2~〉参照〕。
すると、鳥越氏は藤田謹也弁護士らを代理人として、『FRIDAY』を発行する講談社に対し、2000年11月14日付で「警告書」(写真)を送りつけてきた。それによると、筆者と『FRIDAY』取材班の行動が、「警告人(鳥越氏)と同様に取材、報道に携わるものとして明らかなルール違反の行為であるばかりでなく、警告人の肖像権をも一方的に侵害する違法な行為である」という。
そして、「警告書」は、こう強い調子で結ばれている(以下、ママ)。
貴社のこれらの違法で無責任な行為は、人格、名誉、信用を一方的に侵害するいわば犯罪的行為であり、マス・メディアに保障されている表現の自由とは何らの関連もないことが明らかである。
貴社の警告人に対する今回の行為は、仮に公益性を隠れ蓑にして表現の自由を主張するとしても、それは何ら表現の自由の名に値するものではなく、単なる「売らんかな」の商業主義に堕した営利活動に過ぎないものである。
以上の経緯により、警告人は貴社の前記肖像権侵害行為をこのまま見過ごすことができない。
よって、警告人は貴社に対し、警告人の写真を貴社発行の「フライデー」等の雑誌に掲載することを中止するよう本書面をもって通告する。
万一、本書面送達後三日以内に右写真掲載の手続きを中止する旨の回答が得られない場合には、貴社に対し、警告人が無断で撮影された肖像権を侵害された写真を掲載した「フライデー」の出版差止を裁判所に請求し、且つ、貴社、編集人及び本件に関係した記者らに対し直ちに然るべき法的手続をとる所存であることを念のため警告する。
筆者は「警告書」を読み、あきれた。筆者と同様に取材、報道に携わる鳥越氏が、「警告人の写真を貴社発行の『フライデー』等の雑誌に掲載することを中止するよう本書面をもって通告」したり、「警告人が無断で撮影された肖像権を侵害された写真を掲載した『フライデー』の出版差止を裁判所に請求し、且つ、貴社、編集人及び本件に関係した記者らに対し直ちに然るべき法的手続をとる所存であることを念のため警告」したりしているからである。
写真や記事が公表される前に、「掲載中止」「出版差止」「法的手続」と並べたてるのは、表現活動を威圧するものだ。かりそめにも「ジャーナリスト」と称する者であれば、禁じ手として使うはずがない。
ジャーナリストが取材を申し入れても、きちんと対応しないばかりか、「法的手続きをとる」と恫喝するのは、消費者金融大手・武富士の常套手段だった。しかし、ジャーナリストらが相次ぎ、「司法制度を悪用する恫喝は不法」と提訴し、武富士は全敗している(既報〈武井保雄前武富士会長死去でも残る名誉毀損訴訟〉参照)。
2006年9月22日、東京地方裁判所(阿部潤裁判長)は武富士と武井前同社会長(同年8月10日死去)に対し、三宅勝久氏(ジャーナリスト)へ損害賠償120万円を支払うよう命ずる判決を言い渡した(原告、被告とも控訴しないで、確定)。そこでは、「言論による批判に対しては、民主主義社会においては、資料の裏付けのある言論で応酬することが求められており」と述べられている。
鳥越氏は著名なジャーナリストだ。『FRIDAY』の報道が気に入らなくても、反論する機会なり手段なりは保障されている。武富士以上に、「法的手続きをとる」必要性はない。
「警告書」は無視され、写真と記事は予定どおり、『FRIDAY』(2000年12月1日号)に掲載された(PDF)。
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