鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』(12)
鳥越氏の恫喝はチンピラ並み
『FRIDAY』(講談社)は写真週刊誌である。写真が掲載できなければ、誌面は成り立たない。つまり、筆者やカメラマンが撮影した鳥越俊太郎氏の写真が使えなければ、筆者が取材、執筆した同氏のスキャンダル記事も公表されない可能性が高い。
そのようなことは百も承知と思われるが、鳥越氏は2000年11月14日付で「警告書」を講談社へ送りつけ、「警告人(鳥越氏)の写真を貴社発行の『フライデー』等の雑誌に掲載することを中止するよう本書面をもって通告」し、「警告人が無断で撮影された肖像権を侵害された写真を掲載した『フライデー』の出版差止を裁判所に請求し、且つ、貴社、編集人及び本件に関係した記者らに対し直ちに然るべき法的手続をとる所存であることを念のため警告」した。
しかし、講談社は「警告書」を無視し、『FRIDAY』(2000年12月1日号)記事が公表された〔既報〈鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』(11)武富士より始末が悪い鳥越氏〉参照〕。
すると、鳥越氏は藤田謹也弁護士らを代理人として、講談社と鈴木智之(すずき・さとし)・『FRIDAY』編集長、舩川輝樹(ふなかわ・てるき)・同編集者、船元康子・カメラマン、筆者に対し、2000年11月20日付で「通知書」(写真)を送りつけてきた。趣旨は、こうだ(以下、ママ。通知人は鳥越氏)。
通知人は貴社に対し、左のとおり謝罪広告を掲載するよう本書面をもって要求する。
【要旨】
「弊社は、平成一二年一一月一三日、テレビ朝日敷地内の駐車場出口付近及び飯倉片町交差点付近において舩川輝樹、寺澤有及び船元康子らにより鳥越俊太郎氏の承諾を得ずに同氏の写真を多数枚撮影して同氏の肖像権を侵害し、且つ、右撮影した写真を鳥越俊太郎氏の『フライデー』への掲載中止要請にも拘わらず勝手に弊社が発行する『フライデー』一二月一日号に掲載して肖像権を侵害したことにより鳥越俊太郎氏に多大の精神的損害をお掛けしたことを深くお詫び致します。」万一、本書面送達後一〇日以内に貴社から「フライデー」に右謝罪広告を掲載する旨の回答が得られない場合には、貴社、編集人及び本件に関係した記者らに対し直ちに然るべき法的手続をとる所存であることを念のため通知する。
これに対し、講談社は的場徹(まとば・とおる)弁護士らを代理人として、2000年11月27日付で「回答書」を送付した。鳥越氏が要求する謝罪広告は拒否し、こう理由を述べている(以下、ママ)。
本件報道は、貴殿が中心となって制作、放映していたテレビ朝日のニュース番組に対して警察が露骨な介入をしたという前代未聞の、そして民主主義の根幹に関わる行為がなされ、貴殿はこのことを問題とする意向を明らかにされていたにもかかわらず、テレビ局と警察との癒着の中で、貴殿の意向は無視され、事実はうやむやのまま闇の中に葬り去られたという事実を伝達したものです。この報道事実において、貴殿は警察及びテレビ局に対峙する反対当事者であり、マスコミ人としての態度を問われる重大な利害関係人の位置にたつものであるということができました。このような報道事実の下で、当事者たる貴殿からお話をお聞きし、事実を確認してこれを公衆に紹介する本件報道とその取材行為には、高い公共性が認められるべきであり、その際の貴殿の姿を読者に伝えるために、この取材に対応する貴殿の姿を写真撮影しこれを記事中に引用し掲載することもまた、相当にして必要な報道行為というべきでありました。本件写真の撮影及び掲載は、本件報道の意義に照らして、意味のないものではありません。
筆者は、鳥越氏が肖像権侵害などを理由とし、損害賠償請求訴訟を提起すると予想していた。そのような主張はとうてい裁判所で認められないはずだが、鳥越氏は筆者らの取材に対し、当初から「法的手続きをとる」とくり返してきた。ほとぼりがさめてから、訴訟は取り下げるにしても、提訴ぐらいしておかないと、カッコウがつかない。
しかし、鳥越氏は2000年12月4日付で「通知書」を送り、ほこをおさめた。その結びを見てみよう(以下、ママ)。
通知人は、報道の仕事を通じて取材をする場合、その取材の目的、手段そして相当性を考慮しつつ取材対象者の人権に十分な配慮をしなければならないと考えており、そうでなければ、取材に名を借りた犯罪に等しい行為であると考えます。
貴社らが従前から報道の目的、手段や相当性を考慮しつつ取材対象者の人権に十分な配慮をしていたのであれば、通知人に対し、このような一方的に肖像権を侵害するような取材方法を取ることはなかったと思われますし、また通知人も貴社らの行為に対し「単なる『売らんかな』の商業主義に堕した営利活動に過ぎないものである。」との批判を述べることもなかったと思います。
残念ながら貴社らの報道姿勢は、従前からの幾つかの判例を持ち出すまでもなく取材対象者の人権に十分な配慮をしていたとは考い難いと言わざるを得ません。
むしろ通知人としては、記者及び編集人並びに記者らが、右の点を十分にご勘案のうえ、今後の報道活動を行うことを期待するとともに、通知人に対し、再度同様な肖像権侵害を行った場合には断固たる手段を持って対処することを本書面をもって警告致します。
前2回の「警告書」と「通知書」では「だである調」が使われているにもかかわらず、今回の「通知書」では「ですます調」が使われていることも関係しているかもしれないが、著しくトーンダウンしている。これでは、筆者らが鳥越氏に対し、「再度同様な肖像権侵害を行った場合」でも、法的手続きがとられるか疑わしい。
このとき、筆者は確信した。鳥越氏が「法的手続きをとる」と恫喝するのは、チンピラが「ぶっ殺してやる」と恫喝するのと同様、チキン(臆病者)の虚勢だと。
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